「一歩」 〜時間はかかっても〜
清水 樹
2010年1月10日、バイク搭乗中に後方から大型車の追突により、 対向車線に押し出され、対向車と正面衝突する事故に遭いました。 約2ヶ月の間、意識のない状態が続きその後意識は回復したものの 高次脳機能障害という厄介な後遺症を抱えることになりました。 記憶障害や左半身麻痺、構音障害に加え、特に右手は、 使おうとすると自分の意志に反して必要以上に力が入り、震えてしまう様になってしまい(失調症)、ノートを取るなどの動作は困難になりました。 しかし入院中に書道の催しがあり、筆で想いの丈を書いてみると、 手の震え具合によってできた「濃く生きる」という作品の 評判がとても良く、書道を始めるきっかけとなりました。 元気な頃は、何かにチャレンジする一歩がなかなか出せなかったけど、 動けなくなった今は「一歩」を踏み出す大切さをとても感じています。 健常者が難なくこなしていく事を私が出来るようになるには きっと長い長い時間がかかるでしょう。 でも諦めない、まず一歩から。